2020/12/27

2021年に向けて

 こんにちは、小西です。


早いもので、今年最後のブログ更新となります。

今年の3月からブログを再開し、それと同時にインスタグラムを始めました。

当時はまさか、ここまで大規模なパンデミックが起こるとは思っていませんでした。

コロナ禍で不要不急の外出自粛を求められ、「必要なもの」「不要なもの」について改めて考えた方が多いのではないでしょうか。

私自身も、自らの仕事の必要性やジュエリーの需要について、現実を突き付けられた気がしました。


ですが、humとしてやってきた事は間違っていなかったと、確信を得ることもできました。


大量生産・大量消費で経済の拡大を目指す時代は、既に終焉を迎えようとしています。

持続可能な開発目標SDGsの、SDG12は「つくる責任、つかう責任」。

物を作る事、物を使う事に関して、価値観をアップデートしなければなりません。

お手持ちのジュエリーを作り替え新しく生まれ変わらせる、「REMODEL」。

都市鉱山の有効活用を目指す、「REFINE」。

正規認定の中古品を新たな持ち主に届ける、「RESTORE」。

その他にも、在庫を持たないオーダーメイドの仕組みや、自社のアトリエで自社の職人がジュエリーを作る事。


お客様に喜んでいただく為に自分たちが出来る事を模索しながら、新しい時代において必要とされる行動を熟考した結果、これらの答えに辿り着きました。



humはこれからも、本当に必要としてくれる方の為だけに、丁寧にジュエリーを届けていきます。

これまでよりも一層、ハンドメイドの価値を追求していきます。

更に、作ったものに対して責任を負う準備も整いました。



あらゆる面で厳しい状況が続きますが、強い信念を持ってやっていくしかありません。

私達が大切にしている思いやそこに宿るストーリーを、少しずつでも伝えていけたら良いなと思います。


来年もhumをよろしくお願いいたします。



今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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2020/12/20

“from JINGUMAE vol.1” ~hum JINGUMAE atelier&shopについて~

こんにちは、小西です。


前回の記事ではNIGHT WORKSHOP JINGUMAEの様子をレポートしましたが、今後こちらのブログで、hum JINGUMAE atelier&shopを定期的にご紹介していきたいと思います。


その第一回目となる今回は、まだご来店いただいた事のない方に向けて「hum JINGUMAE atelier&shopは、こんなお店です」という内容をお伝えしてまいります。


humのフラッグシップストアに位置付けられる、JINGUMAE。

アポイントメント制で、お一組ずつじっくりとご対応させていただいております。


また、

・メンズコレクションの取り扱い

・One OffやArtisanalといった1点物の豊富な展開

このような他の店舗とは違う特別な商品ラインナップになっているのも、フラッグシップストアならでは。

希少な逸品との出会いをお求めでしたら、JINGUMAEにお越しいただくのがおすすめです。

以前はショップのスペースとアトリエのスペースが完全に区切られていましたが、現在はショップの奥の方にも彫金机が置かれ、アトリエの存在がより身近に感じられる空間になりました。


アトリエで職人が作業をしている姿を実際に目にされることで、オーダーいただくジュエリーへの思い入れが更に深まる、というようなお声も頂戴します。


更に、フルオーダーやリモデルをご希望の場合は、職人に直接ご相談いただくことが可能です。

作りやデザインの面において職人の視点からご提案できるのは、アトリエを持つJINGUMAEならではの強み。

またフルオーダーやリモデルについては、後日詳しく記事にしたいと思っております。

特に男性のお客様は、百貨店のアクセサリー売場では女性客ばかりで何となく居心地が悪い、、、という経験をされた事もあるのではないでしょうか。

JINGUMAEはアポイントメント制なので人目を気にせずお過ごしいただけますし、アトリエを覗きながら、堅苦しくない雰囲気の中でジュエリーをお選びいただけます。


また、ブライダルジュエリーをお探しのお客様にとっても、大切なリング選びが思い出深いひと時となるような空間をご提供いたします。

お席にお掛けいただき、お寛ぎになって、エンゲージメントリングやマリッジリングをごゆっくり吟味なさってくださいね。

特別な商品ラインナップに、特別な空間。

アトリエと職人を間近に感じながら自分だけのジュエリーを選ぶ体験は、他のジュエリーショップではなかなか味わえないと思います。


ブランドコンセプトにもある「記憶に残るジュエリー」を見つけに、ぜひhum JINGUMAE atelier&shopへ足をお運びくださいませ。



今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


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2020/12/14

NIGHT WORKSHOP JINGUMAE レポート

こんにちは、小西です。


11月よりスタートしている「NIGHT WORKSHOP JINGUMAE」。

この度、プログラムに新しくピアスが追加されました。

ポストの先端が完全に隠れるので、ストレスフリーに着けられます。

シンプルなデザインで身に着ける人を選びません。

 

本日は、このピアスが実際に制作される様子をレポートいたします!

 


NIGHT WORKSHOPは19時から開講されます。

今夜の講師は、アトリエマネージャーを務める三尋木。

明るく爽やかな対応に定評があります。

まずはサンプルをご確認いただきながら、どのような構造になっていて、どのように作っていくのかをご説明いたします。

 

こちらのピアスは、ざっくりとこのような工程で制作されます。

線材を曲げてピアス本体を成形する→余った線材をカットする→ポストを成形する→本体とポストに穴を開け、かしめる→磨いて仕上げる

 

それでは早速、作業の様子を見ていきましょう。


 

    線材を曲げてピアス本体を成形する

こちらのピアスには、パイプ状の線材を用います。

そのまま曲げると空洞が潰れてしまい、きれいに曲がらないので、中に針金を通して曲げます。

 

まずは棒状の芯金に線材を巻き付けて、曲げていきます。

曲がりづらい端の方は、「やっとこ」を使って仕上げます。

フープの形ができあがりました。


    余った線材をカットする

「糸ノコ」を使ってカットします。

切るものに対して、糸ノコを垂直に当てるのがポイントです。

強い力を入れて押し当てなくても、糸ノコを真っ直ぐに上下させる事ができれば綺麗に切れます。

この「真っ直ぐに上下させる」というのが、意外と難しいところ。

 

カットできたら彫金台に固定して、中に入れていた針金を引っぱって取り出します。


    ポストを成形する 

ポストに用いる線材の片端をハンマーで叩き、平たくします。

今回は特に小さなものですので、押さえている指を一緒に叩いてしまわないよう注意が必要です。


    本体とポストに穴開け、かしめる

本体の輪っかの端と、叩いて平たくしたポストの端に、小さな穴を開けます。

開けた穴に芯を通して、かしめます。

とても細かい作業です。


夢中で作業に打ち込んでいると、時間が経つのはあっという間。

アトリエの外がだいぶ暗くなってきました。


    磨いて仕上げる

いよいよ最後の工程です。

リューター使いが荒くなってしまうと、美しく仕上がりません。

同じ方向に、一定の力で、繰り返しリューターを動かして表面を磨きます。


完成です!

この日のお客様は初めてジュエリー作りに挑戦されたそうですが、良い仕上がりです。

 

とてもお似合いでいらっしゃいます。

 

 

最後に、お客様へインタビューをさせていただきました。

 

-作っているあいだはどんな気持ちでしたか?

初めてなので、大切に育てていくような気持ちで真剣に作りました。」

-仕上がりには満足ですか?

「大変満足です。」

-印象に残っている作業はありますか?

「ポストとピアスをかしめる為に、穴を開けたところです」

-今夜の講師を採点するなら、何点でしょうか。

100点です!わかりにくい所を、何度も丁寧に教えてもらいました」

 

三尋木さん、お褒めの言葉を頂けて良かったですね。

 

U様、この度はありがとうございました!


NIGHT WORKSHOP JINGUMAEの詳細は、こちらにてご覧いただけます。

現在、職人のパーソナリティをお伝えする紹介ページを準備中です。

お申し込みをご検討いただく際に、それぞれの職人について少しでも知ってもらえればと思います。


 

個人的に感じていることなのですが、購入するときに印象的な出来事があり思い出に残っているようなものは、何気なく購入したものよりも、ずっと長く大切に使う気がしています。

そういった意味では、「自分で作る」という体験はかなり強烈に記憶に残るので、その思い出と共にいつまでもご愛用いただけるのではないでしょうか。

 

制作の面白さをきっかけに、ジュエリーの魅力を改めて感じていただければ幸いです。

お休みの日でも、お仕事帰りでも。どうぞお気軽にご参加くださいませ!




今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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2020/12/07

rosecutとcombination

こんにちは、小西です。

rosecutコレクションより、新たにリングとピアスを発売いたします。
rosecutの新作は約4年ぶりとなりますが、4Cの基準に囚われずダイヤモンドの新たな価値観を提案しているhumにとって、ローズカットダイヤモンドは大変馴染み深い存在です。

今回、リングはプラチナとK18グリーンゴールド、ピアスはK18ホワイトゴールドとK18イエローゴールドを貼り合わせて制作しています。
2色の地金のコンビネーションにすることで、ローズカットダイヤモンドのクラシックな魅力が一層引き立つデザインになりました。
コンビネーションジュエリーの発祥は、こちらの記事でも触れていますが1700年頃だと言われます。
当時はプラチナを加工する技術が無かったため、シルバーの裏にゴールドを貼り合わせました。

ローズカットが発明されたのは、16世紀。
三角形を組み合わせた24面体の、薔薇のつぼみを思わせるドーム状のカットです。
まだ電灯が無かった時代、蝋燭のほのかな灯りの下でも美しく輝くローズカットダイヤモンドは、瞬く間に人気を博しました。

ローズカットダイヤモンドをシルバーとゴールドのコンビネーションで仕立てたジュエリーは、1700年~1830年頃のジョージアンと呼ばれる時代によく見られます。
現在でも尚、アンティーク市場で人気の高いスタイルです。

このように、ローズカットとコンビネーションは、ジュエリーの歴史において密接な関わりがあります。
今回の新作が、アンティークテイストでありながらもモダンな空気感を纏っているように感じられるのは、300年前に生まれたスタイルが不変の魅力を持っているからでしょう。


11月から直営店で展開を始めたREFINE METAL Collectionの革新的なデザインに相対して、このrosecutコレクションは伝統を継承したデザイン。

伝統を重んじながらも革新を起こし続けることは、文化を発展させることに繋がります。

humがジュエリーという文化をどのように発展させていくのか・・・
今後も見守っていただければ幸いです。



今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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