2021/01/31

from JINGUMAE vol.2 ~アトリエの風景~

こんにちは、小西です。


今回は「from JINGUMAE」の第2回目となります。

先日久しぶりに東京への出張があり、アトリエを視察してまいりましたので、その時の様子をお届けいたします!

「from JINGUMAE vol.1」はこちら


余談ですが、出張の主たる目的は、とある企画についてのミーティングでした。

とても面白くなりそうなので、早く皆様にお知らせしたくてうずうずしております。

正式発表まで暫しお待ちください。




さて、アトリエではREFINE METAL Collectionの制作工程を見学することができました。

代表の貞清から説明されてはいたものの、実際に作業を見た事はなかったので、

「自分がオーダーしたネックレスを作っているところが見たい!」とリクエストして、見せてもらいました。



REFINE METAL Collectionの制作は、高野が担当しています。


革新的な見た目のREFINE METAL Collectionは、職人なら誰でも作れるようデザインされています。

代表の貞清が意識したのは「若手の高野でも作れること」だったそう。


貞清は、サステナビリティの本質を謳うREFINE METALを用いたジュエリーなのだから、当然その文脈を汲んだ生産背景であるべきだと考えました。

作るにあたって特殊な技術や設備を要するものは、持続可能性が高いとは言えません。

経験の浅い若手でも一通りの工具さえあれば制作できる構造は、REFINE METAL Collectionのデザインにおいて欠かせない要素でした。



使用する工具は、REFINE METAL Collectionのチェーンのコマを成形しやすいよう、既製品を加工してあります。



高野に解説してもらいながら作業工程を見学していると、ある事に気付きました。

「叩く」「削る」「曲げる」

一コマを作るのに、この作業を何度も繰り返す必要があります。

ひとつひとつの作業は単純ですが、それを何段階にも分けて繰り返し、ようやくコマのフォルムが出来上がっていきます。

コマの形になったら、それをひとつひとつロー付けしていきます。


humが手作業にこだわるのは、手作業でしか作り得ないモノがあるからこそ。


「誰でも作れる」は決して「楽に作れる」という意味ではなく、

「(時間と手間と努力を惜しみさえしなければ)誰でも作れる」という事なのです。



こうやって現場を見学してみて、オーダーしたネックレスへの思いが更に高まりました。

このブログをアップするまでに仕上がってきたら、写真を載せようと思っていたのですが・・・まだ制作中のようです。

受け取ったらインスタグラムのほうに載せますね。




また、作業の合間に柳生がこんな写真を撮ってくれました。

前々回の記事に掲載した、私物のピアスに刻印を入れてもらっているところです。



刻印を打つ茂木を撮影する柳生。

このブログや私のインスタ、オンラインストアでも、柳生が撮影する写真は欠かせません。




久しぶりにJINGUMAEを訪れましたが、同じタイミングでデザイナーの稲沼とWORKSHOP NANOKAWAの小野も来ており、束の間の賑やかなひとときを過ごしました。


humのクリエイションの源泉は、もちろん作り手の強いこだわりや意思、哲学です。

そうやって生み出されたものを、クオリティを保ちながら作り続けるにあたって、チームワークは絶対に欠かす事ができません。

そんな人間的な部分も、これから少しずつ伝えていけたら嬉しいです。



今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。


インスタグラム、フェイスブックも更新中です

Instagram

facebook

facebookグループではオフレコな内容を中心に更新しています。非公開設定ですが、お気軽に参加リクエストをお願いいたしますm(__)m

2021/01/24

フェルトポーチ制作秘話

こんにちは、小西です。


オーダーいただいたジュエリーに付属するポーチを、この度リニューアルすることになりました。

なんとhumのスタッフがひとつひとつ手縫いで作ります。

このポーチが生まれるまでの背景について、今日は少しお話ししたいと思います。



事の発端は、今から2年以上前になります。

これまで使用していた箱を再発注しようとしたところ、メーカー側の値上げがあり、かなり高額になってしまいました。

この価格で発注を継続するのか?

そもそも、長年使っているこの箱は、今のhumのジュエリーにふさわしいものか?

そんな議論が社内で交わされました。

すぐには結論が出ず、その時は最小ロットで再オーダーすると同時に、別の仕様のポーチを用意することになったのですが、代表の貞清は事あるごとに「(箱やポーチを)どうにかしたい」と、口に出していました。


ジュエリーの包装資材は専門の業者へ外注するのが一般的な方法で、humもずっとそうしてきました。

外注するには大きなロットが必要になります。

なるべく小ロットから引き受けてくれるメーカーを探して依頼するのですが、humのような規模の小さいブランドにとっては、どうしても過剰な在庫を抱える事になってしまいます。


また、ブランド創立からこれまでの間、humのクリエイションは大きな進化を遂げてきました。

現在のデザインや品質、そこに込められているコンセプトやメッセージに相応しいものをイメージすると、大量生産のボックスやポーチではしっくりこないというのが正直なところでした。


既製品では納得できない。

だったら自分たちで作るしかない。

デザインから制作まで、全部社内でやろうという事になりました。


中心となったのは、職人の茂木です。

ジュエリーを包む機能性、humのイメージにふさわしいデザイン、他のスタッフが誰でも作ることのできるシンプルな構造。

この3つを全て満たすために、50~60個は試作品を作ったそう。。。

ちなみに試作段階では、生地屋さんからお譲り頂いた端材のフェルトが活用されています。

試作品の数々を見る限り、かなりの難産だったようですが、最終的にすべての条件をクリアするものができあがりました。


茂木がフェルトをカットして各店舗に納品し、販売スタッフがひと針ひと針縫っていきます。

簡素な見た目ではありますが、どこを探しても見つからない、特別なポーチの完成です。


ラグジュアリーブランドのように豪華で立派な包装ではありません。

でも、私の率直な感想は「これで十分」。

何よりhumの個性と意思が表れていて、とても魅力的だと思いませんか?


機能面も十分に備わっています。

厚手のフェルト地は外部からの衝撃を和らげますし、仕切りやベルトもよく考えられており、このポーチだけで包装が完結するように作られています。もちろん余分なプラの袋や緩衝材などは不要。

ご自宅に持ち帰られたあとも、ポーチ単体で長く使い続けられると思います。



いま、あらゆる経済活動には環境への配慮が欠かせなくなっています。

今回ご紹介したポーチのお話はその観点からも捉えられるのですが、実はそれだけではありません。

一番根っこの方にあったのは、「humのジュエリーを、そこに宿るストーリーと共に、大切に届けたい」という想いです。


エコやエシカルといった言葉に囚われると、表面的に物事を考えてしまいがちですが、私達のようなブランドにとって何より大切なのは「永く愛される魅力的なものを作ること」。

この本質を見失わないことが、結果として健全な経済活動になっていくのではないでしょうか。


ポーチのような付属品も、商品の魅力を構成する重要な要素です。

職人が手作りしたジュエリーを、販売員が手作りしたポーチに収めて、お客様に届ける。

時間はかかりましたが、humにとってベストなジュエリーの届け方を見つけられたように思います。

このようなストーリーを含めてhumのジュエリーが永く愛されていく事こそ、私達の本望です。


旧仕様のポーチの在庫がなくなり次第、順次こちらへ切り替えてまいります。

お手元に届く日を楽しみにしていてくださいね。



今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。


インスタグラム、フェイスブックも更新中です

Facebookグループではオフレコな内容を中心に更新しています。非公開設定ですが、お気軽に参加リクエストをお願いいたしますm(__)m

2021/01/17

理想を叶えるカスタマイズ

こんにちは、小西です。


何か特別なジュエリーをオーダーしようと考えるとき、フルオーダーをイメージする方が多いかもしれません。

humではフルオーダーの他、多様なカスタムオーダーが可能です。


フルオーダーは、世界に一つしかないデザインを0から作りあげていくもの。

主に強いこだわりを持ってジュエリーをオーダーされたい方が対象となります。


既存のデザインを元に細かいご要望を反映させられるカスタムオーダーは、humに共感してくださる全ての方におすすめです。

今日はカスタムオーダーについて、実際の事例をご紹介しながらお話ししたいと思います。



これは、humeteチェーンブレスレットを見にお立ち寄りくださった、とあるお客様の話です。

普段ピンクゴールドの時計やジュエリーを愛用されており、それらに合わせたいというご要望でした。

ちょうどデザイナー来店イベントを控えている時期だったので、担当の大谷からご案内し、お越しいただくことに。


当日、デザイナーの稲沼からカスタム内容のご提案をさせていただき、出来上がったのがこちらです。

通常ならグリーンゴールドのコマが入る部分を、ピンクゴールドに変更しています。

更にピンクゴールドにダイヤモンドが留められたコマを足すことで、エレガントさが際立つ仕上がりに。

お手持ちのアイテムとの相性はもちろんですが、お客様が持つ雰囲気そのものにも相応しいブレスレットになりました。

元々、他のジュエリーや時計と合わせやすいようデザインされているhumeteチェーンブレスレットですが、お好みに応じてカスタムすることで、理想のイメージを叶えることができます。



また、もう少し気軽なカスタマイズとしておすすめなのが刻印です。


昨年を振り返ると、日付などの刻印を入れるオーダーを多く承りました。

特にコロナ以降、これまでとは全く違う状況を乗り越えようとしていく中で、たくさんの方がそれぞれの想いをジュエリーに重ねてくださったのだと思います。


刻印はリングの裏側に打つものだと思われている方が多いかもしれません。

humでは一文字一文字手打ちで刻印を入れており、スペースが確保できないデザインを除いて、アイテムの種類は問わずお入れすることができます。

(刻印無料のデザイン以外は、1文字あたり¥200+税を頂戴いたします)


たとえば、私が愛用しているこちらのバングルやフープピアスにも、刻印が可能です。


・お誕生日

・年齢

・記念日

・イニシャル

etc…

ご自身だけの刻印を入れて、よりパーソナルで意味深いジュエリーをオーダーされてはいかがでしょう。


先日、バングルへの刻印を承ったときの事です。

4ケタの数字を入れるご要望だったのですが、単なる日付のようではありませんでした。

何の数字ですか?とお尋ねしたところ、「家族全員の生まれた日と、大切な人の命日、忘れられない日、私にとって意味のある全ての日付を含めたものです」との事。

そのような意味深い内容をhumのバングルに託してくださったと思うと、大変光栄であると同時に、責任も感じました。

仕上がったお品物をお届けした直後、このようなメッセージを頂戴しました。

「肌身離さず、刻印に込めた意味を噛み締めながらつけたいです。」

バングルがお客様の一部のようになっていくイメージがわき、感慨深いものがありました。



「誰が誰のために、どのようにして作るのか」。

ひとりひとりの記憶に寄り添うオーダーメイドをモットーにしているからこそ、humのジュエリーには特別なストーリーが宿ります。

ジュエリーに託したい想いやイメージがあれば、ぜひ私達へご相談ください。

きっと理想の形が見つかるはずです。



今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。


インスタグラム、フェイスブックも更新中です

Instagram

Facebook

Facebookグループでは、オフレコな内容を中心に更新しています。お気軽に参加リクエストをお願いいたします。


2021/01/10

固定観念にとらわれない

こんにちは、小西です。


少し前、自分へのご褒美として「ちゃんとしたピアス」を初めて買おうと思っている、というお客様を担当したことがあります。

ちゃんとしたピアス=有名なブランドの一粒ダイヤのピアスだと思っていたけど、なかなか良いものに出会えない。そう話してくださいました。


humでは初めにメレダイヤが留まったフープピアスをご試着いただいたのですが、本当にお似合いで、「ブランドや一粒ダイヤにこだわる必要は無かったんだ」と仰っていたのが印象に残っています。



このように、固定観念が邪魔してしまって自分の理想に辿り着けない、という事はよくあるように思います。



これは私事ですが、仕事始めの日に、今年はリングを新しくオーダーしたいなと思いました。

今はほぼ毎日、個性の強いリングばかりを4本、それぞれ違う指に着けています。

リングを増やしたい気持ちはあるもののどの指に着けようかと悩む内に、「ずっと空けていた左薬指に着けるのがいいのでは?」と思い立ちました。


左薬指は一般的に、エンゲージメントリングやマリッジリングを着ける指。

私は独身なので、ずっと左薬指にリングを着けることを避けてきました。


でも、自分が着けたいなら着ければいいんです。


そう思ってリングを物色していると、「これだ」と思うものが見つかりました。

REFINE METAL Collectionのチェーンリングです。

以前から気になってはいたものの、着ける指が無いという理由で候補から外しかけていました。

左薬指に着ければいいと気付いて、自分で言うのも何ですが目から鱗です。

手持ちのリングともうまくコーディネートできるし、これをオーダーすることが今年の目標になりました。


更に着け方を研究している内に、私の理想的なコーディネートが見つかりました。

kumoの10連リングと、humete Combination collectionのエタニティリングを重ねたコーディネート。

ゴールド系の地金で統一してボリュームのある2本を合わせたところと、ブラックの色味を差したところがポイントです。

それぞれ全く違う個性のある3本ですが、少し工夫することで綺麗にまとまりました。



固定観念を一度取っ払ってしまえば、ジュエリーの楽しみ方は無限に広がりますね。



私自身、固定観念や一般的な価値観に囚われすぎていた時期がありました。

色々な人との出会いやhumに入ったことなどを機に、少しずつ考え方が変化してきて、今は以前に比べるとかなり自由に、楽に、生きられていると思います。


今度は私が、他の誰かに対して良い影響を与えられるようになりたい。

少し大袈裟ですが、左薬指に着けるリングは、その決意表明になりそうです。

とは言え、勘違いされる度にいちいち説明するのも面倒なので、なるべくブライダルリングに見えないコーディネートを考えておきます。



今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。


インスタグラム、フェイスブックも更新中です。

Instagram

facebook

※facebookグループではオフレコな内容を中心に更新しています。近々非公開設定に切り替える予定ですので、ぜひ参加リクエストをお願いいたします!

© hum staff blog
Maira Gall